こんにちは、しろうです。
本日はFIREを実現するに向けての目標設定の方法について考えて行きたいと思います。
まずは一般論で
年間生活費の25倍の資産形成が目標
(年率4%で運用)
というのが言われているかと思います。年率4%はアメリカの株式市場の代表的な500銘柄から算出される株価指数S&P500の成長率7%からアメリカのインフレ率3%を差し引いた数字です。
単純計算では年間400万円で生活するには1億円の運用資産が必要ということになります。
ただこれで「自分の年間生活費が〇〇円だから□□円貯めよう」となるのは危険だと考えます。特に今会社勤めをしている人はより注意です。
その理由は
株式の運用益や配当金を受け取る際に20%の徴税がなされること
天引きされていた社会保障費を支払う必要があること
の2点です。ここからは具体例を交えて考えていきます。
20％の課税は痛い！
まず年間400万円必要な世帯の場合。
年率4%ルールに則ると1億円の運用資産が必要になります。しかし実際に1億円を運用した場合、運用益を切り崩した場合に利益に対して20.315％（所得税15.315％、住民税5％）が課税されます。そのため、
1億円×4%×0.20315(税率)＝81.26万円となります。
つまり4％ルールで手元に400万円残そうと思った場合、運用資産1億円では足りません。実質3.2％しか手元に残らないため、1億2500万円が必要になります。
社会保険料も馬鹿にならない！
更に企業務めの方で生活費が400万円と言う場合は、天引きされている社会保障費についても支払わなければなりません。
健康保険料と厚生年金保険料は従業員と企業で50%ずつの負担率となっていますがこれが無くなります。なので国民健康保険料と国民年金保険料を支払わなければなりません。
令和3年度の国民年金保険料は月額16,610円（年199,320円）です。そして健康保険料ですがこれは調べても中々すぐに出てきません。（というより算定基準が難しい…）
これはもっと勉強が必要ですが私の場合、今の給与所得に対して月1万円ほどが天引きされています。なので会社負担分と合わせると月約2万円、年間で24万円近くは必要になると考えます。（実際は所得に応じて変わるようなのであくまで概算です。詳しい方がいらっしゃればご教示願います。）
更に40歳を超えると介護保険料の支払いも必要になります。そのため社会保険料だけで年間45万円～は必要ということが分かります。（申請による控除、減額があるかもしれませんがそれについては無視をしています。ご容赦ください。）
※税金や確定申告についてMoney Forwordでも書かれております。
結局FIREのための目標金額はいくらなの？
20％の徴税と社会保険料負担を考慮し、純粋な生活費で400万円を得るためには550万円以上の運用益を出す必要があり、それを4％ルールで運用するとなると
1億3750万円
が必要になります。また1億円を4％ルールで運用した場合、生活費として残るのは
270万円
ということになります。
生活費を400万円と仮定した場合に、1億からさらに3750万円を貯めるまで頑張るか、300万円以下で生活をやりくりするかを選ぶ必要があると言えます。どちらを選ぶかはそれぞれのライフスタイル次第ですが、改めて税金と社会保障の負担の大きさを感じます。
以上よりFIREのための資金目標は4％ルールで運用することを念頭に置いた場合、（今の生活レベルを上げないことは当然として）
生活費の35倍
とすれば、税金や社会保険料による「思ってたのと違う！」という事態も防げると言えます。
ただ1億円があれば自分ひとりで生きていく分には十分な金額であり、キリもいいためFIREのための目標金額としては妥当であると言えそうです。
また目標金額が分からない人はゆとりある老後生活に必要な額として平均月36万円を目指すのもいいかもしれません。その場合は36万円×12ヶ月×35なので1億5000万円ほどが目標金額になります。
おわりに
といろいろ書いてきましたがFIREした方のブログやSNSを見ていると1000万円以下でセミリタイアしている人もいたりと工夫次第で何とかなるのかもしれません。「配当金だけで遊んで暮らしたい」と思う場合は別ですが、好きな仕事をしながら生きるような方なら目標金額はグンと下がると思います。（所謂サイドFIREですね。）
そういう意味ではFIREに必要な目標は
経済的に独立するには最低いくら必要かを知る
経済的に独立した後に何をしたいかを決める
という2点が重要なのかもしれません。現代はいろいろ生きにくさを感じる人も多いと思いますが、簡単に情報が手に入る時代、会社努め以外にも金銭を得る手段が多い時代という点では行動を起こしたものには様々な可能性が広がっている時代であるともいえます。
皆さんも自分なりの目標を決めて、FIREを目指しましょう！
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